フランク・ザッパ『Zappa / Erie』disc 2

本作は3つのステージを2枚ずつに収録した作品になっていて、最初の2枚はペンシルヴェニア州エディンボロのステージからとなります。日時は74年5月3日。ロキシーでの公演が73年12月ですので、約半年後ということになります。そして『ロキシー&エルスウェア』のエルスウェアにあたる一部がこのステージからの収録となっています。具体的にはこの2枚目に収録されている「Son of Orange County」と「More Trouble Every Day」ですね。

 

この公演でのメンバーは下記の通り。

フランク・ザッパ(vo,g)

ジョージ・デューク(kbd,vo)

トム・ファウラー(b)

ジェフ・シモンズ(g,vo)

ドン・プレストン(syn)

ブルース・ファウラー(tb.vo)

ウォルト・ファウラー(tp)

ナポレオン・マーフィー・ブロック(vo,ts,fl)

ラルフ・ハンフリー(ds)

チェスター・トンプソン(ds)

ということで、ルース・アンダーウッドの不参加を除けばほぼ完璧なラインアップです。ですので演奏は非常にタイト。

 

1枚目は比較的長尺の曲が多く収録されていましたが、2枚目は10周年ツアーということもあり、『フリーク・アウト』を中心とする初期の短い楽曲を畳み掛けていく構成となっています。これは聴いている方は大喜びでしょう。

 

エリーというのはペンシルヴェニア州の場所のことを示していて、エディンボロはその周辺地区。今回エリーの音源を集めたのは本作を監修したジョー・トラヴァースの出身地だから、ということのようです。この人が映画『ZAPPA』にも出てきたザッパの膨大なテープやビデオを格納した倉庫を管理しているんですね。本当に次々と音源がリリースされていますが、あれだけあれば永遠に続いていきそうです。