
フランク・ザッパの74年に制作されてお蔵入りになっていたTV番組の音源が発掘されました。ザッパの発掘モノには流石に経済的に追いつかないので全てに手を出すことはできませんが、今回は映像付きということで触手が伸びてしまった。そして想像通りタイトでいい演奏です。
時期的にはマザーズ10周年ライブの『ロキシー&エルスウェア』と傑作『ワン・サイズ・フィッツ・オール』との間の時期、ということで悪いはずがないんですが、一時的にバンドを離れていたルース・アンダーウッドを呼び戻した後の体制による演奏ということで、若干硬さが見える内容ではあります。
とはいえ、超絶的なプレイヤー軍団ですので、普通に聴いているとソウルフルな現代音楽のようで、唯一無二の楽曲が繰り出されているのは間違いない。
様々な時期の音源を聴いてきて思うのは、フランク・ザッパという人は目まぐるしく変わるバンド・メンバーの構成に合わせて、常に楽曲をアレンジし直している人だったんだなあ、ということです。バンドメンバーの力量や担当楽器にも左右されるし、ボーカルパートの有無にもよりますが、今回のようにツイン・ドラムスだったものが一人抜けて単独になったり、パーカッションが一時不在になったり、といった変化の中で常にリアレンジを行なっていくことは並大抵ではありません。それをやってのけていたというのはやはり尋常ではない努力と時間が必要な訳ですね。つくづく凄い人だ。