ビーチ・ボーイズ『"Feel Flows" The Sunflower & Surf's Up Sessions 1969 - 1971』disc 5

ビーチ・ボーイズのBOXもラストとなりました。5枚目は未発表音源を集めたディスクですが、興味深いのは当時ソロ作品を録音していたデニス・ウィルソンの音源です。

 

デニス・ウィルソンはソロ作品『Pacific Ocean Blue』を77年に発表しますが、もう既にこの頃から沢山の録音を行なっていて、その一部がここでも公開されている。『Surf's Up』の頃はブライアン・ウィルソンの不在が他のメンバーの成長を促す時期となっていて、楽曲は少ないながらも名曲を多発するブルース・ジョンストンや、ハスキーで切ないボーカルを聴かせるデニス・ウィルソンの存在感が徐々に高まっていった。その証左がこのディスクにも現れています。

 

とはいえブライアンがお父さんと共作した「Won't You Tell Me」なんかもいい曲で、リリースに苦労した時期だからこその発掘音源の豊富さに色を添えています。

 

しかしまあ、ビートルズといいビーチ・ボーイズといいフランク・ザッパといい、この発掘音源の大量なこと。次々と出てきては洪水のように押し寄せるのではっきりいってついて行けないですが、こうして向き合ってみるといい音源も沢山あるのでやっぱり見逃せない。というより贅沢な時代になった、ということでしょうか。