フランク・ザッパ『Zappa / Erie』disc 1


ここからしばらくボックス・セットを聴いていくことにします。ボックス・セットは価格が高くてなかなかCDには手が出しにくい。これが気軽に聴けるのが配信のいいところだと思いますので、これまで聴けなかった様々な作品を一気に聴いていくことにしたいと考えていました。第1弾は先日映画でも楽しんだフランク・ザッパです。

 

74年と76年のライブ音源を6枚組のボックスにして2022年にリリースされた作品ですが、CDだと2万円近くしますので、これはやはり配信の出番でしょう。これまではこうしたボックス作品も何とか工面して入手していましたが、さすがにもう追いつかない。

 

ということでまずは74年のライブ音源。これはマザーズ10周年ツアーからのもので、『ロキシー&エルスウェア』での強烈なラインアップから熱量が継続している音となっています。ルース・アンダーウッドが参加できていないのが残念なところですが、それでもツイン・ドラムのグルーヴィーな演奏は十分に楽しめますし、ザッパのギターも脂が乗っていていい感じです。

 

ザッパを聴いているとやはりマイルス・デイヴィスとの類似点が浮かび上がってきます。音楽自体は別のものですが、演奏に没入する感じが似ている。各楽器のソロパートを楽しんだり、トータルで醸し出されるグルーヴに身を委ねたりと、聴く側の楽しみ方が似ているような気がするんですね。自分はそこからモダン・ジャズにも遡った訳ですが、YMOも含めて器楽の魅力を楽しむ音楽の聴き方として何か一貫しているような気がしています。

 

ジャズの探求を続けていたのでしばらくザッパの音楽からは遠ざかっていましたが、この機会にまた聴き返してみたいと思っているところです。