フランク・ザッパ『1970s Broadcast Collection』disc 3

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3枚目はザッパ本人が編集したと思しき73年のライブ音源のトラック集です。前のディスクから2年経って、ステージからの転落事故などもあり、療養後にジャズ・ロックをいくつか作品化してからオーディションで集めた最強メンバーを伴って行ったツアーで、ここでの音源が74年の『ロキシー&エルスウェア』に繋がるわけですが、ここはもうザッパ活動中の頂点に近い出来栄えで、ロキシーの余波は半世紀近く経ってもまだ続いています。

 

70年代初頭も、この黄金のメンバー構成にたどり着くまでには何度かのメンバーチェンジが行われている。その経過はいくつかのライブ音源で明らかになっていっていますが、少なくともこのディスクではメンバーのクレジットがないので正確なところはわからない。ただ、ナポレオン・マーフィー・ブロックやジョージ・デュークの声やルース・アンダーウッドのマリンバの音などが聴こえてきますので、曲目的にもロキシー周辺かな、と推測されます。

 

このボックスセット自体がFMでの放送音源を集めたものですので、その番組の企画次第で様々な内容になっていくのは仕方ないとしても、できればステージの内容を凝縮した内容に絞り込んで欲しかった。6枚もあって、かつ70年代を俯瞰する内容なので、その変遷を追っていけると非常に楽しいものになるわけです。そこは少し贅沢な悩みというものでしょうか。