鈴木慶一『ヘイト船長とラヴ航海士』

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曽我部恵一のプロデュースによる17年ぶりのソロアルバム。先日の細野晴臣トリビュートでカバーしていた『東京シャイネスボーイ』の混沌ぶりがやはり全面に出ている。

曽我部恵一とのコンビでのテイストは70年代のような音になるかと思ったが、予想に反して電子音が多い宅録風。その彼方に浮かんでくるのはあがた森魚のような昭和風味だった。メロディアスな曲はあまりないが、その中でも『Skanpin Again』は粒が立っている。

それにしても必要以上に荘厳な雰囲気が漂う。最近のムーンライダーズを気に入っている人でなければついていけないだろう。勿論、曽我部恵一のソロからの流れを期待するとしっぺ返しをくらう。もう少し軽めにやってくれてもよかったのに・・・。つかむのには時間がかかりそうなアルバムだ。