細野晴臣『イエローマジックショー3』

f:id:tyunne:20210220083359j:plain


50周年記念公演の際には、コンサートとは別にテレビで放送されていた音楽コント番組の舞台版も催されていました。こちらはBSでも放送されましたが、ラストのジョイマンとのコントがちょっと痛々し過ぎて、若干見るに耐えないなあ、と感じていたのが正直なところです。

 

ただ、改めて観てみると結構楽しかった。やっぱり音楽が基本なので、様々なゲストが演奏する姿はそれなりに楽しんで観れるものでした。でもこれを国際フォーラムでやらなくても・・。

 

2007年に行われた細野晴臣の生誕60周年トリビュートはコンサートやトリビュートアルバムに多彩な音楽家が集まって、とても楽しく心温まる内容でした。何よりそこでは音楽に焦点が当てられていた。しかし、ここでは基本はコメディタッチなので、寸劇が入るし、細野晴臣のもう一つの側面である「興行」への欲望が表現されています。

 

ただ、これはやはり細野晴臣の受け身の所作の賜物で、周囲の企画に余り構えずに乗った結果の公演だと思います。細野晴臣自身に左程こだわりはない。皆んな参加してくれてありがとう、くらいにしか思っていないのではないかな。むしろ企画側にその責任はあります。そう考えると、もう少しコストをかけて練り込んでも良かったのではないでしょうか。ちょっとお笑いに寄せ過ぎな感じがします。

 

ここでもYMOの再演がありますが、この後高橋幸宏も倒れ、坂本龍一も再度の治療に入る。細野晴臣が一番長生きで元気。長寿家系なんだろうなあ。再度またこの3人が集まれる機会はあるのか。あることを願ってやみません。ムーンライダーズもそうですが、もう時間がないので作品を作る。そんな感じでゆっくりと活動を長く続けていって欲しいなあと考えました。