細野晴臣『50周年記念特別公演』

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細野晴臣の映像作品が3タイトルリリースされました。まずはデビュー50周年を記念したコンサートの映像。こちらは以前にWOWOWで放送された内容と同じものになります。

 

このコンサートには確か応募して外れた記憶がありますが、もうそろそろちゃんと観ておかないとと思って申し込んでみたものの、やはりそう甘くはない。果たして直接御姿を拝見する機会は今後あるのだろうか。とはいえ、こうして映像に残してくれているので、いつでも観ることができるのが嬉しいところです。

 

ステージングもシンプルで、正面からみた姿はバックから単一の照明で照らされてまるで後光がさしているかのよう。一貫してステージが黒いのも以前から変わりませんが、シックでいいですね。

 

演奏はやっぱり「薔薇と野獣」が一番いいです。この艶っぽさはやはり楽曲の出来がいいんですね。それは『HOSONO HOUSE』の頃からそうでした。

 

ゲストでReiが参加しますが、こうした外部の方が来る時の細野晴臣の社会的振る舞いはこれまでの活動を象徴的に表していて興味深い。要するに相対的なんですね。個性をあるがまま受け入れる。この徹底した受け身の姿勢が逆説的にリーダーの役割に役立つ。リーダーシップとは逆の引きの牽引。こうしたリーダーは他のグループにもたまに散見されますが、貴重な個性だと思います。

 

コンパクトですが渋い演奏で、しかも楽しくて微笑ましい。いいコンサートだと思います。