イエロー・マジック・オーケストラ『イエロー・マジック・オーケストラ』

f:id:tyunne:20181201093349j:plain


YMO40周年ということで一連のオリジナル・アルバムがリマスター再発されました。第1弾は初期の3枚です。様々なメディアでの再発となりましたが、やはりアナログは高いのと、ハイレゾは設備がない、ということでSACDとのハイブリッド版を入手しました。従って、通常のCDでの聴き比べということになります。

 

果たして新発見はあるんだろうか?という思いで聴いてみましたが、やはりそれなりにありますね。『ノイエ・タンツ』の時も感じましたが、音が蘇っている感じ。『ノイエ・タンツ』では特に「シムーン」が印象に残ったんですが、今回は「コズミック・サーフィン」が凄かった。細野晴臣のベースの音がとにかく前に出てきていて、躍動感が尋常ではありませんでした。

 

自分にとってはYMOの初体験がUS版でしたので、どうしてもこのオリジナルの1stはずっと耳に違和感があって余り聴き込んではこなかったんですが、恐らくはその影響もあって新鮮に耳に響くということもあるんだと思います。あるんだと思いますが、それでもこのゴツゴツした感じと楽器の音の鳴りは凄いと思います。普通のCDでこれなんだから他のメディアではもっと凄いんでしょう。

 

改めて感じたのはこの1stの構成。細野晴臣で始まって細野晴臣で終わる、という構成になっているんですね。A面は楽曲単位でいっても細野オンリーだし、ラストは「マッド・ピエロ」で終わる。間に「東風」と「中国女」が挟まれているわけです。坂本龍一高橋幸宏のオリジナル曲はそれぞれこの1曲のみなんですね。当たり前のことにやっと気付きました。そしてここから始まった。

 

今回の40周年のプロジェクトは前回のソニー移籍時の様々な施策と違っていくらかは愛情の行き先が間違っていないようにも感じられます。全てではないですが、今回のイベントを楽しませてくれるコンテンツが満載だし、関係者の持って行き方も適切かなと感じます。強引さが余りなくて楽しい。

 

そして何といっても解説。この吉村栄一さんの解説は凄いです。読み応えがあって素晴らしいと思いました。これはこれから読み進めて行くのが楽しみな内容です。