イエロー・マジック・オーケストラ『イエロー・マジック・オーケストラ(US版)』

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79年に発売された1stのリミックス版ですが、実際はこちらの方の音が記憶には残っていて、耳に馴染んでいます。アナログでもこのUS版しか持っていませんでした。YMOのレコードを初めて聴いたのはおそらく80年で中1の頃。『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』とこのUS版を一緒に買って聴いていたと思います。

 

1stにあったゴツゴツした感じが取れて、ここでは柔らかい音になっています。今回のリマスターで何か新しい要素があるかどうか。1stよりも聴き込んでいる分だけその差が分かりやすい筈なんですが、正直左程の差は感じられませんでした。ただ、音圧は丁度良いし、「東風」のイントロではバックにクリック音が聴き取れるようにも感じて、深掘りすれば色々と出て来そうです。

 

1stの白眉はやっぱり「マッド・ピエロ」だと思うんですが、ここは星野源も同意見でした。40年を経た今となっては、自分にとって1stはこの曲のためにあるようなものです。ここでの叩きつけるようなピアノの演奏。何とクールなことか。かつては添え物のように聴いていましたが、今ではこの高揚感にやられっ放しです。

 

アメリカ進出のためのビジネスとしてYMOがアイテムとして扱われ、それが成功していった契機となっている作品。その印象的なジャケットとも相まって、徐々に世界的知名度を上げていって次作で爆発する。そんなビジネスアイテムとして存在する作品ですが、実際このプロモーションは世の中にYMOの音楽を浸透させるために重要な意味を持っていたし、自分もその流れに気づく事が出来た。そういった意味で、とても大切な作品になっていると思います。