スクイーズ『Ridiculous』

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スクイーズやマッドネスというバンドは英国の国民的バンドと言われることが多いですが、本国以外では余り積極的に受け入れられない傾向があります。実際双方とも音楽は至極真っ当で、その分だけ魅力が伝わりにくい、敢えて言えば地味に映る、ということなのかもしれません。とはいえスクイーズの方は正当派のポップスで、丁度いい具合に捻くれてもいるということで、ここにもカバーが収録されているブラーやオアシスのようなバンドのお手本となって然るべきバンドではないかと思うのです。

スクイーズは一連の作品が紙ジャケ化された際にまとめて手にしましたが、どうもこの作品を最後にオリジナルアルバムは発表してない模様です。本作の存在は発売時に左程訴求されなかったこともあって知らずにいましたが、たまに中古屋で目にはしていたので、今回激安価格に惹かれて手にとった次第。内容の方は・・、やはり地味ではありますね。ポップなんですが、決め手に欠けると言いますか、インパクトがやはり薄い。

以前も書いた通り、そうは言っても『Frank』は名作だと思いますし、その前に売れた『Babylon And On』も好きな作品です。しかしその後続いた作品は真っ当過ぎて耳を通り過ぎていってしまう。質は高いので聴けば聴く程染みてくるんですが、パッと見の印象がよろしくない。一見凡庸に見えるというのは実はユートピアなんかにも言えるんじゃないかと思うんですが、聴き続けていると「おっ」と思う瞬間が突然訪れてその後やめられなくなる。英国ポップというのはそんなカテゴリーなんじゃないかと思います。