ゲフィン時代のジョニ・ミッチェルはボックスでまとめられたものをずっと中古で探していましたがちっとも見つからないので単品で揃えていくことにしました。こちらは4作ある中のラスト、91年の作品です。
次作が好きな『風のインディゴ』ということもあって質感も似ていて一発で気に入りました。ゲフィン時代は何といってもトーマス・ドルビーとの共作による打ち込みへの取り組みが目立つんですが、そこから原点回帰して本来の路線に戻った作品。ジョニ・ミッチェルの場合繰り返しのフレーズが印象的な曲が多く、ある意味その構造はテクノやヒップホップでいうループに似たものがあって、中毒性が高い。その感じがこの作品では散見されるところがミソですね。
ドラムがヴィニー・カリュータということで何とザッパのバンドにいた人じゃないですか。勿論ザッパの時のような激しいドラミングはありませんが、何となく繋がるようで嬉しい気持ちがします。静かな佇まいに強い意志。ジョニ・ミッチェルの本来の魅力が詰まった佳作だと思います。賞味期限が長そう。