立花ハジメの2ndは前作から大きく飛躍した傑作となりました。サックスを基本とした構成は変わりませんが、よりスケールが大きくなって楽曲の粒立ちも増しています。とても好きな曲が多いアルバムです。
2曲目の「Piano Pillows Going Abstract」は前作に収録されていた「Piano Pillows」を分解再構築した曲。メインの旋律の音数を一音ずつ増減して構成されています。この構造に気付いた時には震えましたね。坂本龍一作曲の「Arrangement」もロビン・スコットのボーカルが入る本人のバージョンよりこっちの方がシンプルで好きだな。これはB2UNITSのライブで披露されていたもので、正式収録されたことを当時嬉しく思いました。
そして何といっても「AB1013」です。この曲はCM曲にも使われましたが、そのビジュアルと共に醸し出すイメージが何とカッコよかったことか。この1曲のためにアルバムを買っても良いくらいいい出来だと思います。
次作から音の様相が打ち込み主体になっていきますが、サックスをメインに据えた作品としてはご本人もこの作品で究極に達したと考えたのではないかと思います。83年リリースの秀作です。