マーヴィン・ゲイ『I Want You (Deluxe Edition)』disc1

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76年にリリースされたマーヴィン・ゲイの『I Want You』はデラックス・エディションをずっと探していました。これで『What's Going On』『Let's Get It On』と並んで揃い踏みとなります。

 

『I Want You』は確か郡山の中古屋で安く見つけて手にしたのが最初だったと思います。トッド・ラングレンがカバーしたりもしていたので、表題曲は知っていましたが、作品を聴いてみるとこの時期の絶妙なグルーヴが心地よく耳に入ってくる安定したクオリティを感じると同時に、どこか捉えどころのない感触も抱きました。

 

よく知られているように、元々はリオン・ウェアの作品だったものをマーヴィン・ゲイが気に入って、リオン・ウェアのプロデュースで自分の作品にしてしまったという経緯を持つ作品です。それが原因かどうかわかりませんが、なんとなく流れていってしまうような感覚が全体的に漂っています。

 

インストの曲や表題曲のリプライズなどが間に挟み込まれる構成がそう感じさせるのかもしれません。また、性愛がテーマなので喘ぎ声がそこかしこに入ってくるのも、大っぴらに聴きにくいタイトルにしている側面もありますね。

 

ということで、内容は勿論いいんだけれども、どこか食い足りない、という印象は変わりませんでした。