コーネリアス『夢中夢 -Dream In Dream-』


コーネリアスの新作がリリースされました。非常にいい作品です。

 

「普遍的なもの」を目指したとのことですが、とてもポップに仕上がっていて聴きやすい作品になっています。リードトラックの「火花」もそうですし既発曲の「変わる消える」もそうですが、やはりきっかけとなっているのはMETAFIVEに提供した「環境と心理」ではないでしょうか。

 

METAFIVEとしてリリースされた当時も、そのメロディアスな展開に新しい流れを感じました。その流れがバンドに及ぼす影響に期待していたんですが、バンドは終焉を迎えてむしろご本人の作品としてその手に帰ってきた。この曲がムード的にも今回の作品を引っ張っていると思います。

 

しかし、何よりも全体に感じられる「優しさ」がこの作品の中心にあるような気がします。様々な出来事を経て辿り着いたのがこうした優しいサウンドだということに共感を覚えますし、何かとても大切なものを世の中に残してくれているような、そんな気がするアルバムです。