ロジャー・ジョセフ・マニングJr.『キャットニップ・ダイナマイト』

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王道ポップミュージックの継承者、元ジェリーフィッシュのロジャー・マニングJr.の新作が届いた。前作の1st『ソリッド・ステイト・ウォリアー』が強烈な名作だったので、ほぼ安心して手に取った。

ジェリーフィッシュはワールド・パーティーと同時期に衛星放送の音楽番組で知ってすぐ好きになったが、ほどなく解散。その後、メンバーのアンディ・スターマーが奥田民生の『悩んで学んで』に参加していて、これも強烈に良かった。(確かPUFFYの名付け親。)XTCトッド・ラングレンが『スカイラーキング』で出会ったような感覚だったが、もう一人の中心メンバーがロジャー・マニング。ずっとBECKのバンドなどで演奏していたらしいが、1stが出たのは2006年。それがまたいいんだ。

前作のベストトラックは『Wish It Would Rain』だと思うが、基本的にこの人の場合スローテンポの曲で本領を発揮するように思う。そういう意味からすると、今回の内容は若干ハード寄りで、少し残念。

本作の構想にあたって50年代から80年代までの音楽を聴き倒して振り返ったらしいが、その辺りの偏執狂的なポップ・フリークぶりが内容にも反映されている。曲によってはグラム系のものやクイーンみたいな曲もあり、前作にあった必殺メロウな曲は意外と少ない。ちょっともったいないかなあ。

といいつつ、きらびやかなポップ・ワールドは健在なので味わいがいがある。先日聴いたPugwashと比べると肝の座った王道感で安定して聴かせる。