ムーンライダーズ『THE WORST OF MOONRIDERS』

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10周年の頃に発売されたムーンライダーズのライブ集がHQCDで再発になった。先日の高橋幸宏同様ポニーキャニオン期のタイトルだが、音が断然違う。

1曲目の『こうもりが飛ぶ頃』ははちみつぱい時の曲で、再結成時のCDにも収録されていたが、86年の10周年コンサートの時のこの音源の方が断然かっこいい。これとボーナストラックの『今すぐ君をぶっとばせ』が聴きたいがために買い直したようなもんだ。

86年の発売時、正直言ってムーンライダーズの初期の頃の曲はあまり知らなかったし、興味もなかった。でも30周年の一連のコンサートや再発で聴いた初期タイトルは、ここへ来て非常に魅力的に聴こえた。『大寒町』なんか最高だし、名曲『砂丘』も思わず歓声があがるのが分かる気がする。ということは歳をとったということ?というより初期の曲な訳だから、70年代の音楽に対して耳が肥えたんだろう。

ムーンライダーズを最初に聴いたのが高校の頃に出た『アマチュア・アカデミー』だった訳で、その頃には既にムーンライダーズニューウェーブを通過していた。ビートニクスもやっていたし。それでも、それ以前の曲が耳に残るのは単純に曲がいいからだろう。以前、ムーンライダーズは曲ではなく手法が残っていくバンド、という誰かの言葉を引用したが、そうとも言えないのはこうして過去の曲群を聴くとよく分かる。それにしても30年。こうして聴いている10周年記念アルバムが既に20年前の作品であることが怖い。しかも最近のムーンライダーズは老いて益々元気で、今年も新曲を引っさげてコンサートをやっている。なんちゅうバンドなんだろう。

最近は過去のライブ音源をアーカイヴものとして次々発売しているが、さすがに金が追いつかない。直近の『カメラ=万年筆』時のライブ音源は気になるが、もう少ししたらゆっくり味わうことにしよう。でも油断していると『マニア・マニエラ』以降の絶頂期音源がリリースされそう・・。そうしたら抗えない。