ELO『タイム』

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このアルバムがアマゾンで上位にランクされるのは「電車男」のテーマ曲『トワイライト』が収録されているからだろう。ELOのタイトルの中では比較的地味な位置づけだったはずの本作が、ここ日本では妙に代表作のように印象づけられてしまう現状はかなり歪んでいるが、確かに同曲のイントロはキャッチーだ。全般にわたって同じようなテイストの曲が収録された81年リリースの作品。

同曲にも象徴的なように、シンセサイザー主体のポップス集で、他のアルバム同様深みはないが掴みはOKといった趣。前作との間に『ザナドゥ』のサントラがあった訳で、大衆向けポップスとして非常に完成されてきた感がある。ELOらしさとは、ロックとオーケストラの融合といった大層なものよりも大衆向きのコーラスアレンジにあるような気がする。音のくぐもり方、というかパッケージ感がいかにも売れ線で産業ロックっぽい。とはいえ曲がメロディアスなので、凡百のそれとは気品が異なるのも確か。