ザ・ビートルズ『Help!』

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65年リリースの5作目。ここまでが持ってなかったアルバムだ。自分の中では「初期」ということで意識的に避けていた時期のもの。タイトル曲の印象が強いが内容は室内楽みたいだ。ロックンロール然とした曲はラストのカバー曲『Dizzy Miss Lizzy』くらいしかなくて、後はカントリーやラテン等様々な要素が散りばめられている。アコースティックの音が耳に残るのは決して『Yesterday』があるからだけではない。

最近高橋幸宏もカバーした『You've Got To Hide Your Love Away』も入っているが、やはり『Ticket to Ride』を超えるものはない。

 

シンプルなんだけどリズムが変わっている。この辺の組み合わせの妙が単なるヒットソングに終わらない魅力を讃えている。ユニコーンの『すばらしい日々』の元ネタな訳だが、あれはあれでいい曲だったりする。矢野顕子もカバーしてたもんね。奥田民生ビートルズへの愛情を感じる。

全体的に音自体はグリグリ押してくるというより上品に響いていく感じだ。沢山の楽器が鳴っていて、それをきちんと納めていくような整理された感覚をこのアルバムにも抱いた。そろそろツアーをやめてレコーディングに凝りだしていく時期に入ってくる。やはりそこからが真髄のように感じる。