キング・クリムゾン『Neal and Jack and Me』

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84年来日公演を収録した『Live In Japan』はVHSで持っていたが、82年のフランス公演を追加したこのDVDはしばらく探していたものだった。ひょっこり中古屋にあったので購入。これは最高の映像だ。

 

80年代のキング・クリムゾンは古くからのファンには評判が悪いようだが、プログレを経ていない自分のような者には端的にポップ・ミュージックとして非常に魅力的に映った。この映像をポッパーズMTVで見て一発即死。当時まだ高かったVHSのビデオを買いに走ったものだ。

ロバート・フリップは度々デヴィッド・シルヴィアンとの邂逅もあり、一時期はキング・クリムゾンのボーカルに誘っていた程。結局デヴィッドが断り、その代わりシルヴィアン・フリップのアルバムが出来上がる。これはこれで良かったし、ジャケットの二人の楽しそうな顔が双方のイメージからかけ離れていてまた良かった。何より自分は2ndの『Gone To Earth』がお気に入りですから。

とにかく技量が多彩で飽きさせない映像だ。エイドリアン・ブリューの音は「こんな風にして出しているのか」と驚きの連続で、各方面でひっぱりだこなのも頷ける。確か最初はザッパのバンドだったかな?デヴィッド・ボウイかもしれない。坂本龍一の『左うでの夢』にも客演してましたね。

トニー・レヴィンも渋い!最近新作を出したピーター・ガブリエルのバンドでお馴染みだが、スキンヘッドがこんなに似合う人も珍しい。キング・クリムゾンは84年のこのツアーを最後に再度解散しまた再集結しているが、『Vrooom』系の音も厚くて魅力的。重過ぎて今ひとつのめり込めなかったりもするが、ゆっくりと深堀していこう。

82年のフランスのライブはロキシー・ミュージックと一緒に廻ったツアーからのもの。ロキシーキング・クリムゾンというのも凄い取り合わせだが、『ザ・ハイ・ロード』の頃のものなんですね。キング・クリムゾンとしては『Beat』発売直後のもので、『Neal and Jack and Me』の貴重な演奏が見れる。映像は若干ノイズが目立つが、でもいい!

トータル148分。至福の記録です。