キング・クリムゾン『USA』

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年末にかけて一気に70年代前半のクリムゾンを聴いてきましたが、本作が最後です。10年前に待望の再発を遂げた75年リリースのライブ盤。『グレイト・ディシーヴァー』を聴いてきたので耳は大分慣れていますが、本作が正式リリースされた際にはファンにはまさに極上のプレゼントだったことは容易に想像ができます。

音はリマスタリングされただけあってそこそこよく聴こえますが、ボックスと比べてもスタジオでの処理がなされたエコー感の感じと広がりが感じられます。というより調整の賜物かな。凝縮されている感じもあってとても聴きやすく迫力がありますね。再発に際し、ボーナストラックも追加されたようです。

さて今後どうするか。初期に更に遡っていくか、あるいは近年の諸作に手を出していくか。いずれにせよ少し間を置いてみたいとは思っています。一気に味わって理解するのは時間が必要です。繰り返し聴いて大分体に入ってはきましたが、かといってユダヤ教神秘主義の勉強をしようとまでは思いません。そんなところまでロバート・フリップの興味は到達していたんですね。単なる音楽ではないですよね、そこまで行くと。

ディッド・ボウイやブライアン・イーノ等、関連する作品に触れていくアプローチもありますが、聴き進めていくことでデヴィッド・シルヴィアンとの邂逅が何だったのかを把握することも出来そうです。断ったとはいえ、本当にデヴィッド・シルヴィアンキング・クリムゾンのボーカルになっていたら一体何が起こったんでしょう。きっと古くからのファンの失望を買ったんでしょうね。とはいえそれはたらればの話。黙ってシルヴィアン・フリップを聴けばいいんだと思います。クリムゾンの静の側面もしっかりと存在したからそうしたことも視野に入ってきたんだろうと改めて思いました。これはイメージだけでは分からなかった。

本日は仕事納め。今年も沢山聴きましたが、年末はかなりキング・クリムゾンからエネルギーをもらえた感じがします。さて、一仕事始めますかね。