キャロル・キング『サラブレッド』

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75年リリースのオード最終作。07年の再発時に買い逃していたものを安く発見。この作品は久々にシンプルな構成に戻って『つづれおり』パート2みたいになっているアルバム。離婚したりなんかして色々と悲しいことがあった後に旧友と一緒にシンプルなアルバムを作るなんて、なんて素敵なんだろう。端的にいい曲が多い印象だ。ああ、早く聴けばよかった。

久々にジェリー・ゴフィンとの共作も入っていてとてもいい。ジェイムス・テイラーもクロスビー、ナッシュもいるという豪華メンツの割に佇まいは穏やかだ。『High Out Of Time』なんかいいですよ。『Only Love Is Real』なんて『It's Too Late』みたいじゃない。リズムがおんなじ。

 

『There's Space Between Us』もいい。ここでJTのコーラスが入る。フェイドアウトが惜しいくらい。後半も『Ambrosia』『Still Here Thinking Of You』といい曲が目白押し。久々に捨て曲なしのアルバムを聴いた。

キャロル・キングの場合、余計な装飾を排した方が曲自体の魅力が増すように思う。メロディメーカーとして優れているから出来る技なんだろうが、このアルバムは特にそれが顕著だ。『つづれおり』ほどの強さはないが、ジワジワと効いてくる『ミュージック』みたいなアルバム。これはいい買い物をした。