WORLD HAPPINESS 2011

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今年も行ってきました。まずは天気!開始以来初めての日差しと雨!とは言っても一雨降った後は涼しくて良かった。前半の日差しが続いていたら倒れてたなあ。顔が真っ赤に焼けてしまった・・。

中盤から目が離せなくなっていく展開だったが、前半で良かったのは意外にもコトリンゴだった。何とはなしに聴いていたが、フリッパーズ・ギターの『恋とマシンガン』のカバーの荘厳さに「あれっ」と思わされる。その次の曲も含めてアレンジがかなり攻めていてベン・フォールズ・ファイヴを鋭くしたようなカッコいい演奏だった。ほわっとしているようでなかなか侮れない。ううん、やっぱりピアノの上手い人は違うなあ。こいつは発見だった。

リトル・クリーチャーズで一雨あった後に星野源ときていよいよビートニクスだ。セットリストはこんな感じ。

1.6,000,000,000の天国
2.No Way Out
3.Didn't Want To Have To Do It
4.大切な言葉は一つ「まだ君が好き」
5.ちょっとツラインダ
6.新曲

1曲目の高橋幸宏のソロからして場が締まった。ドラムのフレーズが鳴っている間は何の曲かと思っていたが、キーボードが入って「ああ、これか」と。意外なオープニングだったが演奏力が確かで素晴らしい。よく見てみるとメンバーの半分はpupa組で、形を変えて今年も出てきたのか、等と思ってしまう。10月にビートニクスとして10年ぶりの新作が出るそうだが、そこにも収録される3曲目はラヴィン・スプーンフルのカバー。ロジャー・ニコルズのアルバムで聴いたことがある曲だったが、こういったソフト・ロック路線なのか・・。こいつも意外。でも最後に演奏された新曲はpupaみたいだった。高野寛が参加してからの4曲目は最高!これやってくれるんですか!ビートニクスの2ndでも特に好きな曲だったので、ツボをつかれたようで嬉しい。定番の次の曲も優しくていい。1曲目でも感じたが、やはり高橋幸宏のボーカルに鈴木慶一のコーラスが加わるとビートニクスになるんだな。

その次に出てきたのが神聖かまってちゃんで、この落差が凄い。過去のイベントで1曲だけ演奏してステージを去ったという話もあったから構えて聴いていたが、これがなかなか迫力があっていい。端正なアーティストが多い中でこの異端ぶりは今時珍しいし、強烈なインパクトを残していったように思う。『ロックンロールは鳴り止まない』のイントロで観衆があんなに盛り上がるとは思わなかった。相対性理論の時も思ったが、このバンドも世の中に相当浸透してきているんだなあ、と実感。ああいう一歩間違うと異常な人格が昔はもっと沢山いたんだろうが、今は特異に映る。

メインステージに昇格したサカナクションは去年程のインパクトはなかったが正当に進化している感じ。人気の高さに驚いた。白眉はその次のsalyu × saiyuだ。これは凄かった。およそライブでは再現不可能かと思われた楽曲を難なくこなすコーラス隊は時を止めた。サカナクションの後で周囲は座ってしまう人も多かったが、これが本日の一番だ。『ただのともだち』や『奴隷』なんてよく再現するよなあ。知らない人は「何者なんだ?」と思ったはず。後ろで小山田圭吾が控えめにギターを弾いていた。最後の『続きを』では不覚にも泣きそうになりました。あのピアニカの音がいいんですよね・・。ライブも傑作!

砂原良徳ほどのインパクトが不思議となかったテイ・トウワに続いてラストはYMOだ。既にセットリストがTwitterに上がっているが念のため。

1.新曲
2.ファイアークラッカー
3.Behind The Mask
4.The City of Light
5.京城音楽
6.灰色の段階
7.体操
8.千のナイフ
9.コズミック・サーフィン~ABSOLUTE EGO DANCE(メドレー)
10.Cue
12.東風(アンコール)

新曲は『ラスト・エンペラー』みたいな荘厳で静かな曲で、坂本色が強いように感じた。これはもうちょっと詰めた方がいいんじゃないかなあ。でも復興に願いをかけてまだ新曲を披露するという姿勢に感謝!『Behind The Mask』は冒頭でコードが合わないトラブルが見受けられた。ちょっと残念。アメリカ公演以降『テクノデリック』からの曲を取り上げる偉業が続いている。『京城音楽』や『灰色の段階』がこの年になって聴けるとは感無量。カッコよかったが周りは座って休んでました。『京城音楽』もカッコよかったがウィンターライブでも演奏しなかった『灰色の段階』は期待が大き過ぎた。でもサビはやっぱりいい。2年前にマイミクさんが「この演奏で中期の曲をやったら似合うんじゃないか」と言っていたが、やはり今のYMOは演奏がファンキーなので特に中期でもそんな曲を持ってくるんだろう。ここへきてのグルーヴ回帰は非常に嬉しい。まだまだ演奏には詰める要素もあると感じたが、それでもいい。天然記念物を見るかのようだ。

『アブソリュート・エゴ・ダンス』をライブでやるのも初なんじゃないか?これもファンキー路線のなせる技。貴重なものを見たなあ。権藤知彦のホーンがあるからこその演奏だと思った。ホーンがあるとアレンジに幅が出るんだな。『千のナイフ』でもそうだが『体操』で小山田圭吾がフリーキーにギターを弾きまくっていた。本領発揮でカッコいい!今回のライブは演奏に奥行きがある。この方向で進化していくというのはコンセプトがバックにあるだけに無敵感と永遠の開拓領域を伴う。いつまで続くんだろう。『東風』は観客の体に旋律が染み込んでいるかのようで「やっとやってくれた」感がひしひしと漂う。アレンジも比較的昔風。

ということで、事前にYouTubeで予習してしまったので左程の驚きはなかったがそれでも新たな発見があったライブだった。少し演奏に硬さも見受けられたようにも思うが、このファンク路線、まだまだいけると思わせる。後再現できていないのはAOR路線くらいか?サーヴィス過剰なバンドだなあ。年配の夫婦がゆっくりと体を揺らす光景に微笑ましさを感じつつ、若者の多さにも目を引かれた。それでもYUKIが終わると帰ってしまう人もいるし、必ずしもこのイベントがYMOのものだけではないものになってきているのが印象に残った。さて、来年もあるのか?