女性ボーカルが続きます。74年リリースの荒井由実2nd。聴いた中ではこれが一番いいんじゃないかな。といっても初期3枚しか聴いていませんが・・。
1曲目の『生まれた街で』から勢いがあります。細野晴臣のベースがブンブン唸ってますね。マイミクさんお勧めの『瞳を閉じて』に続いて『魔女の宅急便』でおなじみの『やさしさに包まれたなら』で強烈な3連発。バックはキャラメル・ママ、コーラスはシュガーベイブ、吉田美奈子という鉄板の陣営。林立夫のリズムはタイトです。
『あなただけのもの』なんて鈴木茂の『バンド・ワゴン』そのままじゃないですか。こりゃあカッコいいわな。漂う質感はティン・パン・アレイ直系のもので、大貫妙子の初期よりもファンキーですね。これが次作の『コバルトアワー』に繋がってく訳だな。でもこの2ndでのギリギリのバランスが奇跡的に成り立ってる瞬間を切り取っているのが素晴らしい。
先週の金曜日は直帰で早く帰宅することが出来て『ひこうき雲』を聴きながら帰ってきたんですが、ちょっと暗いんですね。それが本作では少し弾けてきたような感じがします。38年前ですよ。もう少しで半世紀いってしまう。あっと言う間に時は経ちますがポップスの本質というのはあまり変わらないんだなあ、と実感しました。70年代以降は確立の時期だったんですね。60年代にあった混沌は最早なくて、その後に残していくものはこの時期に既に完成形をみている。そんなことを思いました。