久保田麻琴と夕焼け楽団『ディキシー・フィーバー』

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77年にリリースされた久保田麻琴と夕焼け楽団の3作目。前作の『ハワイ・チャンプルー』は持っていましたが、あまり聴けていなかったので、「もしや売ってしまったのでは?」と思う程でした。甚だ失礼な話です。

 

『ハワイ・チャンプルー』同様、ここでも共同プロデューサーに細野晴臣を迎えていて、ニューオリンズサウンドに接近しています。ただ、全体を通して聴いた印象はそこまでニューオリンズ色は強くない。

 

細野晴臣の『泰安洋行』が76年、『はらいそ』が78年ですので、この作品はその間に位置することになりますが、ニューオリンズというよりはもう少し牧歌的な印象です。音の質感としては初期ムーンライダーズに近い。端的に時代の音なのかもしれません。

 

久保田麻琴はこの後、様々に音楽の形態を変えていって、80年代にはサンディー&サンセッツになってしまうわけですから、ちょっと信じられませんが、時代の潮流に合わせてカメレオンのように姿を変えていく様は、ある意味細野晴臣と共通するものがあるのでしょう。