XTCのコリン・ムールディングとテリー・チェンバースが久々に組んで2017年に発表したシングル。発売当時は見逃してしまいましたが、GW前に中古屋でひっそりと置かれているのを見て興奮して手に取りました。XTC関連ではどうしてもこうなります。
とはいってもXTCは実質最後にアンディ・パートリッジとコリン・ムールディングの二人になって、コリンが抜けてしまってからはバンド活動は行われていません。『ワスプ・スター』が最後だからもう2000年以降は新作がない。その後、アンディによって旧作のリマスターやデラックス・エディションの発売などが行われていますが、XTCとしての活動は凍結されています。テリー・チェンバースは『ママー』で脱退しましたので、80年代にはもうバンドを去っていた。
そんな二人が何故、ここへ来てタッグを組んだのか。その経緯は明らかになっていませんが、純粋に音楽活動に対する意欲が復活したんだとすればそれは嬉しい限りです。どうしてもXTCの再結成を望んでしまうんですが、それは叶わぬ夢として心にしまっておきたいと思います。
楽曲はコリンらしい瑞々しいメロディで、この清らかさがアンディの凝った楽曲とセットになることでXTCは絶妙のバランスを保っていたんだなあ、と改めて思い返しました。コリンの青空に抜けるようなボーカルと実は入り組んでいるベースラインがXTCの隠れた魅力だった。そこにテリーの力強いドラムが入ればもう完璧です。地味ですが味わい深いシングルだと思います。
