Lali Puna『I Thought I Was Over That RARE, REMIXED AND B-SIDE 』disc 1

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05年リリースのLali Punaレア音源集です。これでLali Punaも揃えてしまいました。音が鋭いですね。最近聴いていたのが比較的落ち着いた音のものが多かったので、急にこちらに展開するとインパクトがあります。

元々高橋幸宏が絶賛していたので目を付けて買い始めましたが、ドイツから届けられる暗くてロマンティックな音に何とも言えない静寂感と一貫したセンスの良さを感じてその後もしばしば耳にしていました。不思議と落ち着くんですね。

本作もオープニングはCDが壊れたのかと思う程のヒリヒリしたノイズで思わず盤質を心配してしまいましたがこういう音なんですね。びっくりしました。エレクトロニカはこれがあるんですよね。しばらく忘れてました。ミニマルだけど揺れていて凄い。これも音が立っています。最近ではsalyu × saiyuもカバーしていましたが、今時この暗さは貴重ですよ。それでもって美しいというのは以前のイギリスにはありましたが最近ではそうは耳にしない。というより自分がそこに焦点を当てていないだけかとも思いますが。

ゼロ年代の前半というのはこうしたヒリッとした音に溢れていて、その後少しずつオーガニックに戻っていった感じがしているんですが、残っているのはやはりロマンティックな要素なんじゃないでしょうか。機械の中の叙情といいますか、イマジネーションとして単なる音ではない、表現する奥行きが感じられるのは感覚的に静かなもののような気がします。Lali Punaの場合そこにビートが絡むのでいかしてるんですね。変に荒涼としない。

『The Daily Match』や『Past Machine』等1枚目は後半に比較的ポップな曲が並びますが、ラストのヒューマンリーグのカバー『Together in Electric Dreams』、マイミクさんのコメントもあってこいつを楽しみにしていました。原曲を知らないので非常に失礼なんですが、これはかなり崩しているんじゃないでしょうか。解釈の先鋭さが味わえないのが悔しいところです。ちょっとYouTubeで調べてみるかな。