エルヴィス・コステロ『Armed Forces』

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79年リリースの3rd。『Accidents Will Happen』は聴いたことあるぞ。

ここでいきなりポップになるんですね。急激な変化に驚きました。プロデュースは同じくニック・ロウ。この質感に比べると2ndがソリッドに聴こえてくるから不思議です。より分かりやすくなって言ってることは政治的、というアルバムです。『Two Little Hitlers』はトッド・ラングレンもカバーしてました。ジャケットが紙ジャケ復刻版なので非常に凝っていてびっくりします。このアルバムは結構売れたようですね。

それにしても初期とは言え既に個性が確立している感があります。しかし何故にこんな急激に洗練されたんでしょうか。本人はこの作品と次の『Get Happy』を「シラフで作ったとは言えない」と話していますが、そうは言っても2ndは2週間、1stは1日で録音したそうですから、それに比べると熟成させる期間はあったのかもしれない。それでも前作から半年後の録音ということで、この変化は異常です。プロダクションにお金がかけられるようになったのか、はたまた本人の引き出しが多いのか。

収録時間は引き続き短くて36分くらいですが、このくらいコンパクトな方がインパクトがあっていいですね。ただポップスに流れていく方向性に少し残念に感じた人がいるのも分かるような気がします。疾走感がなくなって一般的になっていく。すべてとは言いませんが、イメージとして初期音源はかっ飛ばしている印象があったので、早くも完成度が上がっていくことに驚いているのが現状です。マイルドになると引っかからなくなる。どうも自分がコステロに抱いていたイメージはポップスというよりも攻撃性だったのかもしれないですね。荒々しさがとれたコステロは、いい曲なんだけど通り過ぎてしまう。この3rdがそうだとは言えませんが、何となくその兆候は見え始めたな、という感想です。さて、この後どうしようかな。