青山陽一の傑作。現時点での最新作である『Blues For Tomato』も最高ですが、愁いを帯びた01年の本作も非常にいい作品です。『難破船のセイラー』がリード・シングルでしたが、その微妙な浮遊感といい『4D Raven』でのキリンジ堀込泰行とのデュエットといい、渋くてポップな楽曲が詰まったバランスのいいアルバム。グランドファーザーズでデビューして以降、韻を重視したシュールな歌詞が一見強引に見える局面もありましたが、ある程度自然に曲と溶け合ってかつグルーヴを生み出していく直前の青々しさをたたえています。
『Revival』が一番好きですね。産業革命の落とし前をつけろ、と歌われる内容に意味を見出すのではなく言葉の響きに身を委ねる所作。『Bright Lights Bugcity』の長尺な展開にも渋みを感じます。21世紀になってからリリースされた割には不思議と郷愁を感じさせる雰囲気があります。
