NHKの番組『デザインあ』のサウンドトラック集。これも大分寝かせていましたが、やっと聴けました。番組はたまに目にしますが、子供と一緒に観た時は非常に興味を惹いていました。ビジュアル的に面白い上、コーネリアスのPV同様、音と映像のシンクロにスピード感があってとても「見せる」映像なんですね。
ジャケット、というよりパッケージはとても凝っていて、「あ」の図形が立ち上がるような模型、オブジェとなっています。番組の趣旨からいって必然かもしれませんが、少しびっくりします。
やはりsalyu × salyuの作品を間に手がけていることがコーネリアスの音楽に大きな影響を及ぼしている気がします。あそこでの声の活かし方、それが今回「あ」という声をテーマにした作品なので余計に際立つところもあるんですが、キーボードの音色や旋律の彩り方なんかも継続した趣を感じます。
それから音が強い。世紀が変わって以降、コーネリアスの音楽は引き算を行った静かな音楽として時代の空気を先読みしたところが革新的だったんですが、昨今の砂原良徳の音楽同様、音が多く鋭く大きくなってきていて、反動というよりまた違った未来が提示されつつあるような気がします。少し時代に喧噪が戻ってくる。社会がより活動的になってくる予感がするんです。
ゲストボーカルにはsalyu × salyuの他、奥さんの嶺川貴子、やくしまるえつこ、大野由美子といった面々が顔を揃えていますが、いずれもロマンティックないい曲で、かつすべてがsalyu × salyuのソロ作品を彷彿とさせる。ボーカルが誰であってもテイストが変わらない。ということはこれが今のコーネリアスの音だ、ということです。とはいえsalyuのボーカルはやはり格別に響いてきますが。
コーネリアスの本格的な次の作品が楽しみです。
