ダニー・ハサウェイ『愛と自由を求めて』

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先頃リリースされたアンソロジーの予習として聴き直しました。ダニー・ハサウェイといえば『LIVE』な訳ですが、このアルバムも地味ながらいい作品です。これこそ名盤、という言説には同意しかねますが、『Love Love Love』が入っているのでよしとしましょう。

何故左程聴き込まなかったかというと冒頭がストリングスだからだと思います。荘厳な雰囲気に一歩引いてしまう。但しきちんと聴くとやはりグルーヴィー。この作品がほぼ遺作に近くて、短命に終わってしまう悲しいアーティストですが、キャロル・キングをはじめとして一部から熱狂的に支持されている時代をある意味背負ったアーティスト。

2曲目の『Someday We'll All Be Free』が何かに似てると思ったらキリンジの『早春』でした。勿論こちらの方が何十年も前ですが。大滝詠一さん含め、好きなアーティストが亡くなってしまうとまるで自分の親戚を失ったような感覚に襲われますが、このダニー・ハサウェイが突然いなくなってしまった時もそうだったんでしょうか。その頃自分はまだこの方を知らなかったので何とも言えませんが。

バリエーションに富んでいるところが逆効果となってリピート性が落ちてしまうきらいがありますが、もう少し聴き込んでみるに耐え得る作品だと考えています。