ケンイシイ『メビウス・ストリップ』

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ケンイシイ13年ぶりの新作、ということで昨年末から結構メディア露出もあったので、今回は手にしてみました。これまでの集大成、原点回帰といった内容が期待されたのと、やはり砂原良徳がマスタリングを手掛けたことが購入の大きな要因です。

 

結果的には概ね好印象を持ちましたが、やはり4つ打ちの王道の楽曲に安心感を覚えてしまいます。かつ、ケンイシイの場合は音に浮遊感があって、非常に映像的な奥行きのある音楽にその真骨頂があるような気がするので、リードトラックの「Bells of New Life」や「Green Flash」などの楽曲にどうしても反応してしまいます。とても美しい。

 

90年代のデビュー当時の『ジェリー・トーンズ』の頃を彷彿とさせる音や、MVでの当時へのオマージュなども微笑ましいですが、こうしたてらいのない原点回帰はとても喜ばしいことだと思います。やり過ぎると昨今のスター・ウォーズのようになってしまって、ちょっと残念な気持ちになってしまいますが、それだけではない現在形へのアップデートもなされているので、ここは素直に受け入れるべきでしょう。