METAFIVEの7月に行なった無観客ライブが今日まで配信されています。発売中止となった作品『METAATEM』を特典に付ける形で配信ライブチケットが発売されたので、これは手にしなければと思い購入しました。
METAFIVEは高橋幸宏の病気療養と小山田圭吾のオリンピックの問題で数奇な運命を辿ることになりましたが、音楽は時代を越えてしまうので、その後人々の記憶が薄れていっても作品だけは残っていきます。
このライブでは高橋幸宏は不在、小山田圭吾はオリンピックの開会式音楽担当を辞任直後、加えてコロナ禍の観客不在でのライブ、という極めて特殊な環境の中で行われているので、一種独特の緊張感があります。しかしながら演奏は非常にいい。理知的で冷静、かつ熱量も発せられていて、演奏力ももちろん高い。
本来は新作発表のタイミングで行われるライブだったはずなので、演奏楽曲も新曲中心であったであろうことは想像に難くないですが、実際には過去の作品からの選曲を中心にベスト盤的な趣が強くなっています。
小山田圭吾のギターが非常に良くて、演奏する姿、パフォーマンスも非常にカッコいいです。顔色は悪くて少し心配になる程ですが、それでも音楽は鳴り続ける。そしてプレーヤーとしての性は決して消えません。小山田圭吾にとって、このタイミングでMETAFIVEの仲間たちと共に過ごせたことがどんなに励みになったことか。偶然とはいえ、結果的にとても幸運だったと思います。
演奏はどれもいいですが、ベストアクトは「Luv U Tokio」かな。ライブアレンジが躍動的でとても良かった。METAFIVEはフジロックの映像も観ましたが、そこではLEO今井と砂原良徳だけがメンバーとして出演していて、非常に頑張って演奏していました。この踏ん張りは大きい。ここでもLEO今井のパフォーマンスは懸命で微笑ましく、心を打たれるものがあります。
とにかく歴史的な映像ですので、きっちりと記憶に留めておこうと思います。今朝で3回目の試聴ですが、頑張ってもう1回観ようと思っているところです。