高橋幸宏『ニウロマンティック 〜ロマン神経症〜』

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81年リリース。今回で買うのは4回目かな。高橋幸宏の作品の中でも一番の傑作として名高いこのアルバムは、やはり冒頭の「Glass」が傑出していると思います。

 

81年はYMOが『BGM』を出した年でもあり、そこで象徴的だった楽曲「Cue」がリフの繰り返しをバックに展開されたものだった。そのバリエーションとして「Glass」は成立していますが、ここでのポイントはやっぱりドラムにあって、この低音を伴ったフィルインの入り方のセンスは尋常ではないと思います。

 

正直に言って他の曲は添え物のように感じてた時期も長かったんですが、細野晴臣作の「Grand Espoir」や坂本龍一作の「Curtains」、サンディーに提供した楽曲のセルフカバー「Drip Dry Eyes」など、魅力的な楽曲が目白押しの内容です。

 

ここでもインストが印象的で、当時「Charge」なんかは何度も聴きました。「New (Red) Roses」なんかは今回のリマスターでかなり聴こえる音が変わったような気がします。

 

そして必殺の「Something In The Air」で幕を閉じる。隙がないですねえ。加えて音が結構シリアスに響きます。前後の作品にあるどこかユーモアを含んだような要素がどこにもなくて、徹底的にクールです。ジャケットも点描の水彩画で最高。思えば『BGM』も水彩画でしたね。