58年録音の本作は実質マイルス・デイヴィスの作品といって良いものとなっています。メンバーは下記の通り。
マイルス・デイヴィス(tp)
キャノンボール・アダレイ(as)
ハンク・ジョーンズ(p)
サム・ジョーンズ(b)
アート・ブレイキー(ds)
というなかなかの面子です。
音の方もマイルスがイニシアチブをとっていて、非常に落ち着いた音色となっており、キャノンボールが大暴れするわけでもなく、アート・ブレイキーがドカドカ叩くわけでもない。そういった意味では少し物足りない感じもしますが、これはこの時期のマイルスの作品の一部として楽しむものなんでしょう。
同時期に『マイルストーンズ』が出ているということはモードの一歩手前。静かなジャズが始まる直前に表舞台に出されたキャノンボールのリーダー作の形をとったブルーノートでのマイルス、といった位置付けでしょうか。