ムーンライダーズの昨年のクリスマスに恵比寿で行われたライブが配信開始になりました。今回も非常に良かったです。
新作をレコーディング中ということもあってか、また演奏力が上がっているような気がします。演奏に艶がある。ライブを繰り返している時期のライダーズはバンドにグルーヴが出てきて勢いづくんですが、今回は余裕も感じさせる演奏力。この辺りはサポートメンバーの存在も大きいですが、やっぱり潜在能力が違うんでしょう。齢７０前後にしてこの演奏は凄いですね。
今回も選曲のセンスが光っていましたが、一番良かったのは白井良明の「Come sta, Tokyo?」ですね。『最後の晩餐』からの選曲は最近のキーポイントとなっていますが、元々良かった楽曲が澤部渡も含めたボーカルのリレーと幾重にも重なるコーラスで素晴らしい演奏に仕上がっています。白井良明の曲は本当にいいなあ。かしぶち作品から「プラトーの日々」も演奏されています。これも『最後の晩餐』から。
『アマチュア・アカデミー』からの選曲も昨今のキーポイントですが、今回は「Y.B.J.」が演奏されました。この曲を高校生の頃、水泳部の部室で麻雀をしながら口ずさんでいたことを思い出しました。その奇妙な歌詞に友人が興味を示して、『アマチュア・アカデミー』を複数の人に広めることができた。いい思い出です。
「Happy Life」なんて曲も演奏されましたね。白井作品はどれもいいですが、この辺りの選曲も渋かった。この傾向がずっと続くといいですね。永遠にネタ切れしないような気がします。
クリスマス関連の楽曲や冬を想起させる楽曲が続く中、ラス前で演奏された「大寒町」はやっぱりグッときます。鈴木博文の声はいいなあ。曲もいいですが、そこに絡む澤部渡がやっぱり素晴らしい。本当に澤部渡はムーンライダーズのメンバーになってもいいんじゃないでしょうか。今後もずっと参加してくれることを祈っています。
この後3月に新作をリリース。（ちょっと延期されそうですが・・。）加えて野音でのレコ発ライブということでムーンライダーズは止まらない。生涯現役を貫くことも宣言されましたので、まだまだ楽しめます。本当に凄いバンドです。
