ビル・エヴァンス『A Simple Matter of Conviction』


66年録音のシェリー・マンとの共演作。エディ・ゴメスの初参加作品でもあります。参加メンバーは下記の通り。

 

ビル・エヴァンス(p)

エディ・ゴメス(b)

シェリー・マン(ds)

 

それにしてもやっぱりビル・エヴァンスの音楽というのは変わった音楽だと思います。一応ピアノ・トリオではありますが、まるで現代音楽のように縦横無尽に音が舞っている。これは久々にシェリー・マンを招いて自由に演奏した成果とも言えそうですが、それにしても散らかって拡散していきそうな音が不思議な求心力でギリギリのところでとどまりながら時間が進んでいく。この不思議な求心力は何なんだろう。

 

シェリー・マンのドラムも細やかな音で自由奔放に鳴っていて、ドカドカしていないところがいいですね。エディ・ゴメスはまだ緊張していたようですが、ここから11年続くパートナーシップのこれが出発点。意義深い邂逅です。

 

それにしてもビル・エヴァンスのピアノは凄いなあ。無秩序なようでいて収束していく。でも鳴っている音は大分革新的だと思います。鋭いですよ、フレーズが。それでもってこんなに品があるなんて。