78年リリースのライブ盤。とはいえ冒頭の曲はスタジオ録音だし、このライブのための書き下ろしやカバー曲も多くて、ほとんどオリジナル・アルバムといっても差し支えない内容です。キーボードは坂本龍一。この頃は毎日一緒にいる程仲良しだったそうですね。大貫妙子も加えて麻雀ばかりしていたという微笑ましいお話。
山下達郎が次作の『GO AHEAD!』収録の「BOMBER」でスマッシュヒットを出していなかったら、こうした初期の作品群だけを残して知る人ぞ知るアーティストになっていたかもしれないなんて誰が想像できたでしょうか。実際にはことほどさようにこうした洋楽ポップスの需要は日本には存在しなかった、というより王道ではなかった、ということです。本当に売れてよかった。
いい楽曲が多いライブですが、ブレッド＆バターの「ピンク・シャドウ」についてはカーネーションと一緒にセルフ・カバーしたバージョンの方が自分は好きです。でもそれを差し置いてもいい曲ばっかりの素晴らしいライブ盤。ライブハウスでの臨場感もいいですが、目指したのはダニー・ハサウェイの『LIVE』だそうです。「WINDY LADY」のスローな感じと観客の歓声や拍手の雰囲気がちょっとだけ近いかな。アナログB面にあたる楽曲群の演奏は肉感的で本当に最高です。
