XTCのアンディ・パートリッジが選ぶ100枚の中にソニー・ロリンズの作品が入っていたことに意表を突かれましたが、先日聴いたパトゥと同様、結構な確率で演奏主体のアルバムが入っていたのが何かのヒントのような気がします。
本作は66年録音作品。収録曲が3曲しかなくて、しかもタイトル・トラックは20分を越すという内容。それだけでも敷居が高いですが、60年代のジャズというのは従来の型にはまった音楽から抜け出そうとしている最中ということもあり、比較的現代音楽風なアバンギャルドな風合いを伴って聴こえてくる印象です。
本作のタイトル曲も中盤のベース一音で延々続くミニマリズムのような展開が異色ですし、エルヴィン・ジョーンズのドラムもどこか遠くから聴こえてくるようなミックスで非常に捉えどころがないですが、これはこれで不思議な音。かつ、アンディ・パートリッジが選んでいるならどこかにポップな要素が隠れているという保証付なので、安心して耳を傾けることができます。
パーソネルは下記の通り。
ソニー・ロリンズ(ts)
フレディ・ハバート(tp)
ジミー・ギャリソン(b)
エルヴィン・ジョーンズ(ds)
淡々と演奏が進んでいく印象がありますが、急にベースの単独ソロになってみたり展開が唐突なところがあって、とても無骨な感じがします。これは結構ストイックな音楽ですね。ピアノがいないのもポイントだと思います。聴いていると何となくキャプテン・ビーフハートのインストを思い出します。