カーネーション『CARNATION 40th Anniversary "Carousel Circle" Release Tour』


祝!カーネーション40周年、ということでカーネーションの40周年記念ツアーの最終日に参加してきました。自分も含めて観客の年齢層は高めでしたが、ムーンライダーズと比べるとまだ若い女性がいたりして非常に華やかな客席でした。カーネーションの観客は女性の比率が高いですね。

 

まず開催地が渋谷、ということで昨今の迷路のようになっている渋谷駅で案の定迷いに迷って開催場所のさくらホールに到着。会場BGMはキンクスの『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサイエティ』がずっとかかっていました。会場の先行販売で40周年記念本『カーネーションの偉大なる40年』を入手。この本に付属しているデモ音源CDを聴きながらこれを書いています。

 

ゲストが多彩なライブでしたが、やはり度肝を抜いたのは大森靖子でした。35周年の際にはアイコンとして森高千里が参加していたのが印象的でしたが、今回はそれが大森靖子に変わり、しかも「続・無修正ロマンティック」を演奏してくれるという豪華仕様。これだけ個性的な方を包み込む包容力をカーネーションというバンドは持っている。ここが非常に不思議なところです。恐らくは直枝政広の純粋さに原因があるんだろうな。

 

鈴木さえ子の参加も嬉しい出来事でした。ドラム上手い上手い。参加する際はツイン・ドラムになるんですが、とにかくタムを多く叩いていたのが印象的でした。ドラムの音は全体的に小さくミキシングされていて若干物足りない面もあったんですが、テクニックはビジュアルも含めて十分に堪能できた。これは一生モノの映像ですね。目に焼き付いてしまいました。

 

田中ヤコブの参加も素晴らしかった。ギターこんなに沢山弾く人なんだ、という印象。非常に微笑ましいし、バンドが締まってとても良くなっていたと思います。

 

そして肝心のカーネーションですが、新作からは全曲演奏して、過去の曲も織り交ぜながら展開していくステージは余裕がありつつ勢いもあって現役感がたっぷりです。「恋は底ぬけ」なんて聴けるとは思いませんでしたが、必要以上に40年を振り返る演出を入れる訳ではなく、あくまでも新作のリリース・ツアーという名目で通したところがストイックだったと思います。

 

途中に休憩が入ったのも意外でしたが、それは第二幕の冒頭に浪曲を持って来たのが理由で、そこから怒涛の「夜の煙突」に突入するという中盤での沸点。これは珍しい演出でした。ラストに直枝さんが誤って転倒した際には会場に戦慄が走りましたが、何事もなかったようで良かった良かった。何卒お体にお気をつけて頂いて、可能な限り走り続けて頂ければと思います。