35年目のカーネーション『SUNSET MONSTERS』

f:id:tyunne:20181111074611j:plain

行ってきました!久々の野音カーネーションの35周年記念ライブです。16:30開演で終了が20時過ぎですので、およそ3時間半のステージでした。進行は淡々としていて、この辺りがムーンライダーズ鈴木慶一と比較するとシャイな一面が垣間見れてしまう。ゲストが多いので極力MCを少なめにしたそうですが、それでも独特の緊張感、というよりアングラ感が漂いました。

実はカーネーションのライブを観るのは恥ずかしながら初めてでしたので、いわゆるお約束事があったんだとすると、それには追随できませんでした。でもいいんです。そんなことは重要ではない。問題はご本人たちが楽しんでいるかどうか。直枝さんが口々に「気持ちいいねえ」「いいね」と呟いていたのが印象的でした。気合いで押し切ったり緊張したり、というよりもリラックスしていた感じがします。

ゲスト陣では何といっても森高千里!本物を初めて見ましたが本当に綺麗で可愛い。「夜の煙突」の森高バージョンを生で目撃することができました。森高千里のファンの方にはお馴染みなのかもしれませんが、自分はMVで観ただけだったので、直枝さんのチョンマゲ姿への変身演出も含めて微笑ましく鑑賞させて頂きました。「夜の煙突」はアンコールで最後にももう一度全員で演奏されましたので、この日は2回聴く結果になりましたが、やはりカーネーションは「夜の煙突」に始まり「夜の煙突」で終わる。それが如実に伝わってきた一瞬でした。実際、ケラがこの曲をナゴムから出したい、というところからカーネーションというバンドはスタートした訳ですし。

岡村靖幸の登場は森高千里の直後。これも盛り上がっていましたが、やはり芸能人オーラが出ているお二方の登場は、カーネーションの歴史の中では異質に映る。一方で最後のゲストは山本精一の轟音ギターだったりして、この振れ幅がカーネーションらしいというところでしょう。ムーンライダーズのメンバーの登場も唐突に訪れて、あっさりと終わる。お爺さん3人の居場所はなかなか見つけにくいようにお見受けしましたが、これも白井良明の圧倒的な明るさが逆に直枝政広のシャイなところを際立たせてしまう形になりました。

順序が逆になりましたが、前半は歴代メンバーが代わる代わる登場する展開で、特に黄金期メンバーの5人が揃った瞬間には感慨深いものがありました。演奏はもう少しグルーヴィーでもよかったかな、とも思いましたが、ここでしかあり得なかった歴代メンバー揃い踏みの演出は実現したことだけでも奇跡的。地味に凄かったです。

ラストの大団円で感じたことは、やはりカーネーションは若手のミュージシャンに愛されているんだな、ということです。若々しさ、というより余裕と自己更新の姿勢が本当に真摯で、長さを感じさせない。パワーが衰えない。ナイーヴさを隠さない。そんなことを考えました。不思議なバンドだと思います。そして心から祝福したい。ずっとこれからも続いて行くのが容易に期待されるのが素晴らしいことだと感じました。いいものを観させてもらった。35周年おめでとうございます。