昨年リリースされたソギー・チェリオスの2nd。2枚目があるとは思っていませんでしたが、今後もビートニクスのように不定期に活動を続けていってくれるんでしょうか。
ほぼ直枝政広と鈴木惣一郎の二人ですべての楽器を演奏していることもあって非常にパーソナルな趣です。これもApple Musicで事前に試聴していましたが、ほぼ予想通りの音。曲は皆いいし、質感もある程度は一定のクオリティをクリアしている。その上で突き抜ける何かがあるかというとそうでもない。もう少し弾けてもいいんじゃないかな。
鈴木惣一郎は先だって細野晴臣の『録音術』という本も編集していてこれもまたいい本だったんですが、先達の偉大な仕事に敬意を表してきちんと振り返っていく仕事はこの人にしかできないような気がします。一方の直枝政広は大森靖子のプロデュースなんかも手がけていて、カーネーションとしても着実に活動を続けている。日本の音楽界の良心がきっちりと息づいていることに安心感を覚えますが、作品としてはどうにも地味です。
いい曲が多いので賞味期限は長いですが、ここぞという時の弾け方が足りない。贅沢を言えばそんな感じでしょうか。
