リトル・フィート『Down on The Farm』

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79年にリリースされたローウェル・ジョージの遺作。この作品をまともに聴いたのは大分後になってからでした。実質、前作のライブ盤でリトル・フィートは終わっていたと思っていたからですが、決してこの作品も悪くはない。「Straight From The Heart」も「Front Page News」も「Perfect Imperfection」もいい曲ですし、何より凡百のアーティストの通常の作品より基礎体力が違う。あくまでリトル・フィートとしての全盛期に及ばないだけです。それはとてつもなくレベルが高い。

後期のフュージョン寄りな音像も散りばめられてはいますが、演奏力が確かなので聴かせるパートが意外に多い。突き抜けた感じは左程ありませんが、これが最後に出されて良かったと思います。リトル・フィートを知った時には既にローウェル・ジョージは亡くなっていましたが、必要以上に伝説化されていてきちんと聴くまでは時間を要したように思います。ただこの音は文句なしなので、言説に惑わされずに身を浴すことを強くお薦めします。ここまでの作品はやはり必聴です。