2020年リリース作品。山本精一の作品を手にしたのは『クラウン・オブ・ファジー・グルーヴ』以来となります。
リードトラックの「フレア」の印象が強くて、シンプルなギターサウンドで不穏なものを歌う形の楽曲が並んでいるイメージがありました。必ずしも全てがそうではないですが、ギターの音がよく鳴っているのはとてもいい。ここに救いがある気がします。
全般的に感じるのは、悲しいもの、辛いこと、といった人のネガティブな隙間にスッと入り込んでくるような怖さがあって、これはそう何度も聴けない音楽だな、と感じました。聴いていて例えば実家の様々なエピソードを思い出してしまうような、そんな感覚があります。シンプルだけどとても怖さのある音楽です。
途中2箇所ほどある、曲間の繋ぎで前の曲の音が残って次の曲に移っていく瞬間が非常にカッコいいと思います。久しぶりにドキッとさせられました。