ビーチ・ボーイズ レビューVol.1

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ビーチ・ボーイズの紙ジャケリマスターまとめ買いセットを中古で発見してしまい、禁断の小遣い前借りにて購入。本当に困ったものだ・・・。まあ、手持ちを何枚か売って資金を確保してからの話ではあるが。

「トゥデイ」から「サマー・デイズ」「ペット・サウンズ」「スマイリー・スマイル」「ワイルド・ハニー」「フレンズ」までの中期6枚。ここをきちんと聴くのは人類の義務なので仕方ない。98年再発盤ということで、どれほどの音質か気にはなったが、手持ちのペット・サウンズは89年盤だから良化はしているだろう。

ペット・サウンズは先日のレコード・コレクターズ誌の60年代ロックベスト100でも堂々の1位を獲得したが、本誌にもある通り90年代以降の日本での再評価が順位を押し上げた感がある。当時の渋谷系ブームから一種のスノビズムとして持ち上げられたところも大きいだろうが、根本的に楽曲がいいので「出会ってよかった」と当時は思ったものだ。また、それ以降の数多の模倣やリスペクトを認識することができたのも収穫だった。ほんとにビーチ・ボーイズ・ファンは多いんです。

ビーチ・ボーイズ=サーフィンUSAというのがそれまでの常識。当時(大学生時代かな)ビーチ・ボーイズの話をして周囲にクオリティの理解者がほとんどいなかった。チェッカーズ藤井フミヤなんかもラジオでサーフィンUSAを時代の流行物として小馬鹿にしたコメントをしていたし。

しかし、その後急速に再評価されて芸術品として扱われていく訳で、また一方ではスノッブが蔓延る雰囲気も出てきた。萩原健太の方々での語りが鼻につく感じもあって、その辺りはあまり好きになれない。幻の「スマイル」伝説が更にレア感を後押ししたが、今となっては復活したブライアン・ウィルソンの再録が素晴らしい形で世に出ているので、本当にいい時代となった。時を越えるものはきちんと残していかなければいけないんですね。

ということで、パーラメントに続いて折角買ったんだからレビューしようと思います。まずは「トゥデイ」と「サマー・デイズ」。どちらも未聴でした。

ジャケットがこういう感じなのでこれまで手が伸びなかったんですが、「トゥデイ」からドラッグにはまったブライアンが偏執狂的スタジオワークで作品を作り出したんですね。プレ・ペット・サウンズといった趣で、美しい側面が多い。「サマー・デイズ」には必殺の「カリフォルニア・ガールズ」も入っていて、綺麗なことこの上ない。やっとこの2作に出会うことができました。

それにしても双方とも収録時間が28分とか26分とか・・・短い。昨今の74分タイトルは本当に長くて疲れてしまうので、このコンパクトさは貴重です。当時(65年頃)はこれで充分だったんですよねえ。