ファンカデリック Vol.3

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「ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ」。先日唯一売り切れていて買えなかった名作を御茶ノ水で発見。苦しい経済事情だが、「呼ばれている」訳だから手に取らないわけには行かない。リマスターで音が良いのは最早当然として、タイトル曲の12インチバージョンが収録されていたのは収穫。

この作品はバンドのベーシストにPファンクを薦められて最初に購入したタイトル。聞いた当時から印象は変わらないが、とにかく「乾いた」名作である。ニューオーリンズやJBのように腰にくるグルーヴというより、徹底してクール。なおかつファンカデリックはギターの比重も高いので、一種独特の味わいがある。勿論4曲目のメロウな変態狂気や「イントゥ・ユー」の心地良さなど、聴き所は多いが、どこか聴くものを突き放す印象をもつ。でもこの12インチバージョンはいいね!1回フェードアウトして再度マイルドな音で再開するなんざ泣かせるじゃあないですか。ギターも沢山鳴ってるし。

オリジナルにはおまけのEPもついていたが、それらもしっかり収録されている。改めて考えると、ラストのマゴット・ブレインのライブで観客との掛け合いの熱気をあえて入れているのは何か意味があるんだろうなあ。この熱気はアース・ツアーを髣髴とさせるし、乾いた音との比較で最終的に大円団を示唆しているようにも聴こえる。

その後、パーラメントやブーツィーにも手を伸ばし、Pファンクの壮大な世界を目の当たりにしていくのだが、その出発点となったアルバムなので、感慨深く聴いた。最初に聴いてからもう20年近く経つんだよなあ。因みに1978年作品。