ファンカデリック『first ya gotta SHAKE THE GATE』disc 1

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マイミクさんの呟きで知ったファンカデリック33年ぶりの新作。恐るべきことに3枚組33曲ということで、一体何事が起こっているのかと恐る恐る聴いてみました。

驚かされるのはスライ・ストーンの参加ですが、1枚目では4曲程味わうことが出来ます。その内2曲は10分近くあって、どこをとっても過剰なボリューム。ただ、聴いていると冗長な感じはなく、むしろヒンヤリとした感覚に襲われます。とても冷たい。そしてストイックな感じですね。ファンクとして前に押してくるのではなく、じわりと迫ってくる。『暴動』以降のスライにある狂気が標的を定めてこちらを狙っている気がします。

ファンカデリックなのでギターサウンド爆裂かと思いきや、基本はエレクトロ・ファンク。近年のプリンスにも似た質感ですが、そこはP-Funk、コーラスがカオスを演出しています。一番往年の雰囲気を感じたのは5曲目の「Ain't that Funkin' kinda Hard on You」で、シンセの音が「それ」らしく聴こえました。

このインターバルでこのボリュームということは恐らくは録音時期もまちまちなんじゃないでしょうか。かつファンカデリック名義である理由も左程なくて、パーラメントでもジョージ・クリントンのソロでも良かったのかもしれません。でもPファンクの混沌というのは最初からそうだった。名義なんかきっと関係ないんです。むしろ御大がまだ現役だという事実に涙すべきかと思います。