CDはどこへ行く

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ミュージックマガジン7月号は、低迷するCD市場と音楽配信の可能性について特集が組まれた。

レコ協の資料によれば、昨年度の音楽市場の売り上げは配信を含めて何とか前年キープ。CDは減り続けている。ミュージックマガジンらしく、パッケージに対する愛情が語られている一方、世間では着うたの違法ダウンロードも激増中で、確か3億8千万曲がダウンロードされているはず。

実際、新入社員の女性の話では、気になる曲があったらPCで無料ダウンロードサイトを漁って、どんどん落としてしまうそうだ。あくまで音質を気にしない前提だが。You Tubeで音声だけ切り離して聴いたりもするそうで、その辺のフォーマットも常識のように話していた。恐ろしい世代だ。

小西康陽もインタビューで語っているが、アルバムというフォーマットが定着したのは60年代からであり、それまではシングル中心の市場であったことを考えれば、以前から自分も話している通り音楽配信は1曲単位のシングル市場に回帰しているだけのこと。但し、ポストモダンの時代は誰もが同じ情報を共有する時代ではないため、いきおい内容は拡散する。その上で、アルバム単位での作品はパッケージへの愛情と相まって日本では残っていきそうな気がする。

それにしてもナイン・インチ・ネイルズレディオヘッドに対抗して高音質版の配信を無料で行ったという話は驚きだ。クラムボンのメンバーも実際今の現状ではCDのフォーマットに収めることでスタジオ音源のクオリティは制限されざるを得ないといった驚愕の事実を吐露している。

となれば、いい音=CDではない訳で、データサイズさえ気にしなければ配信の方がいい音になってしまうのが現状だ。ハイクオリティとは何かを考えさせられる話ではある。

いずれにしろ欧米でもiTMSが主流とはいえ音楽熱は高まってきているようなので、単純にメディアの問題だけかもしれない。

でもジャケットとか好きなんだよなあ。