『オイル・オン・キャンヴァス』

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JAPANの解散ライヴ盤。当時は貸レコード屋で聴いたのみで買わなかった。基本的にスタジオバージョンと内容がほぼ同一だったのが理由だが、今回は一応まとめ買いなのでちゃんと聴いてみた。

内容はベスト盤的なもので、『孤独な影』と『錻力の太鼓』からほぼ選曲されている。このツアーには土屋昌巳がギタリストとして参加していて、当時流行っていた一風堂の『すみれSeptember Love』をロンドンから衛星中継で歌っていたのを見た記憶がある。ザ・ベストテンだったかな。

こうして通して聴いてみると『孤独な影』の楽曲の方が陰影に富んでいてロマンティックだ。『錻力の太鼓』はシリアス過ぎるんだな。当時確かFMで日本公演の模様が放送されて、飛び入りで坂本龍一矢野顕子なんかが参加して『Bamboo Music』とか『Good Night』なんかをやっていたように思う。これエアチェックしたんだけど、カセットなくして後悔したなあ。発売してくれれば売れると思うんだけど。

このライヴは映像素材もあって、VHSで持ってたりするが、先日久々に見たらミック・カーンの有名なカニ歩きが堪能出来た。この人は何者なんだろう。フレットレスベースかっこいいのに・・。この人の風貌と音楽性がJAPANに一種の緊張感を与えていて、完璧主義者のデヴィッド・シルヴィアンに合わなくなって解散の引き金となったんだろう。もったいないけど仕方ない。

土屋昌巳が当然のようにJAPANに溶け込んでいたのは当時のYMOの世界での存在感とあいまって日本人を誇らしく思った瞬間だった。イギリスと日本が共振するのはアメリカにはない独特の島国根性な訳だが、陰影を大切にする暗い国民性とかも一種の要素だと思う。さすがに諧謔趣味は及ばないだろうが。

その後日米構造協議とかでメロメロにされて日本のパワーは減退した訳だが、記録というものが残っているので、文化的ストックが今になって花開くように思う。しかも謙虚な形で。こういうのは水面下に潜むのがポイントですよね。