ELO『オーロラの救世主』

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必殺のバラードより『Above The Clouds』の複雑さや『Do Ya』の勢いの方がいい。非常に売れた76年リリースの出世作。「捨て曲なし」との触れ込みだが、やっぱりELOを一通り聴いて思うのはその薄味加減だ。

そもそもジェフ・リンよりロイ・ウッドが好きな自分としては、この徹底的な明るさにのめり込めない。確かにストリングスとロックの融合からメロディ主体のポップスに徐々に移行していって、結果的に成功を収めたグループとして燦然と輝くELOは後のパワーポップの雛形とはなっているかもしれないか、陰影のないメロディは聴く者に傷を残さない。えぐっていくようなインパクトはこの温室栽培のポップスからは出ないんだろう。悪くはないんだけど薄いんだなあ。当時ラジオからこれらの曲が流れてきたとして、果たして自分の耳を捉えたんだろうか。先日聴いた『ザナドゥ』のが華があっていいよなあ。ということはボーカルが弱いのかもしれない。

この不景気をぶっ飛ばす勢いはここにはないな。後でしみじみよくなるかもしれないので、一応棚にしまっておこう。それにしても結局ほとんどのタイトルを揃えてしまった。これもポップ好きの性か。